一途な敏腕弁護士と甘々な偽装婚約

★戸籍謄本 晴正side

 俺は自分の目を疑っている。

 この一週間、毎日美月の実家に通い続けてきた。毎日門前払いの中で、やっと玄関のドアが開いたと思ったら、先日美月が会っていた、あの少年が出てきた。

(えっ、どういうこと?!)

 美月と彼は、ここで新生活を既に始めているのか? ということはご両親公認なのか?
 ハイスピードすぎないか?

 頭の中を疑問符で埋め尽くした頃、彼がダルそうに言った。

「なんか面倒くさいんで、こっそり姉ちゃんの部屋に案内するっス。黙ってついて来れます?」
「……はい?」

 彼が『姉ちゃん』と言った気がしたが、彼の顔は美月にあまり似ていない。
 そこで、彼女が実は養子だったことを思い出した。実のご両親が事故死して、所長と麗華さんに引き取られたのだ。

 だとしたら。もしかして。

 俺は、とんでもない勘違いをしていたんじゃないのか──?!
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