一途な敏腕弁護士と甘々な偽装婚約

★君を守りたい 晴正side

 彼女の話を聞いて愕然とした。

 二人で半休を取った時、俺は確かに美月の名前を呼んだ。美月は俺のものだと知らしめたい独占欲もあって、わざと人に聞こえるように。これ見よがしに。

 そのことでまさか、他のパラリーガルから嫌がらせを受けていたとは。

 俺と美月が付き合っていると事務所内で噂が立っていることは知っていたが、自分なりに美月に被害が被らないよう気をつけていたつもりだったのに。愛海さんは変わらず接してくれていたから、全く気づけなかった。

 愛海さんのように仕事を押し付けられた様子もなく、家でも仕事場でも美月はいつも通り笑っていた。だから油断していたのだ。

 俺は、朝食を楽しみにわざわざ帰宅したり、毎朝抱き締めたいと欲求ばかり押し付けて。

 浮かれていた不甲斐ない自分を殴ってやりたい。
< 73 / 142 >

この作品をシェア

pagetop