【完】さつきあめ〜2nd〜
こちらを向いて、ふんわりと笑うレイはどこか切なく映って
南にも、レイにもこんなに強く想われている光が、何故わたしでなければだめなのか、疑問が残る。

「どうしてレイさんも南さんもそんなに好きな人の幸せを願えるの…。
あたしは宮沢さんが誰かと笑ってる事も全然許せないのに…」

「レイも昔は全然そんなの願えなかったよ。レイの場合はさくらちゃんといるときの光が好きなだけっ!
それに自分の中で光は特別な存在だけど…思い出みたいな感じになってるからかな。
だからさくらちゃんの考えも全然おかしくないことだよ。自分の好きな人が自分以外の誰かと一緒にいるのが嫌なんて誰にでも持ってる考えだよ。だからさくらちゃんはそんな自分の気持ちを責めなくてもいいんだよ」

それでもわたしは、朝日の幸せを願えるような優しい人になりたかった。
たとえ朝日が自分の隣で笑っていなくても、違う誰かを愛しても
それさえも許してあげられる人間になりたかった。
けれど、あの頃そうあろうと拘っていたのも事実で。

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