【完】さつきあめ〜2nd〜

その店名を聞いて、心臓が高鳴った。
EDENの社長は光で、新店は年明けに出すって言っていたお店の事だ。

「あ~、そっかぁ。有明くんは元々七色だったもんね。
有明くんはお店の子をメディア露出させていこうって考えみたいだよ~!
俺は当たると思うし、有明くんは頭がいいなと思うけどね~」

光がそんな事を考えていたんて…知らなかった。

「EDENの、南さんですか?」

「よく知ってるね~!南ちゃんも結構乗り気でさ。
でももっと有名なキャバ嬢を売り出していくつもりでさ」

「南さんより有名な人?!誰ですか?!」

そう聞くと、三浦は一瞬黙って、わたしの顔をじいっと見つめた。

「ひみつ~!」

そして、お茶らけてそう言うだけだった。

「え~!!教えてくださいよ~!」

「さくらちゃんが俺の話に乗ってくれるならね~!」

「だからそういう表に出る事は苦手なんですって!!」

「まぁいいや。さくらちゃんがメディアで人気者になって俺に構ってくれなくなるのは少し寂しいしね!」

「もお~!!」

正直びっくりした。
光が新店を出す事。
かなり気合いが入ってる事。それは何となく分かっていた。
けれどてっきり南を顔として新店を出すんだと思っていた。南よりもっと有名なキャバ嬢を自分のお店で使おうとしていたなんて。
本当に分からない事ばかりだ。

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