【完】さつきあめ〜2nd〜
翔は美月の後ろからちょこんと顔を出して
あ!という顔をして「おじちゃん!!!」と勢いよく走り出した。

翔をゆっくりと抱き上げる、優しい眼差し。 それはあの頃から、変わりない。
ねぇ、光はさ、わたしと出会った時もそういう笑顔を見せてくれていたよね。
小さな子供を見つめるような優しい笑顔。その笑顔が大好きだったんだ。

「翔~!!おじちゃんじゃないだろ?おにいちゃん!
元気にしてたか?!またおっきくなったんじゃねぇか?!」

「おじちゃん、見てひこおき!」

「お!かっこいいな!いいじゃん!」

「さくらから貰った!!」

「俺はおじちゃんで、さくらはさくらかよ…」

光は、翔を高く抱き上げて、そしてまた笑った。

「オーナーおつかれさまです!」

「おつかれ。
つか美月、俺をおじちゃんだなんて翔に変な事教えるな」

「あらら、ごめんなさい。
あたしの中で30歳過ぎてる人はおじさんだから…」

「お前はまだ23歳だからな……」

「だいじょーぶ!オーナー若作りだし!」

「それは全然嬉しくねぇや」

「あはは~!まだまだいけますってぇ!!
文月でもオーナーのファン多いんですから!
じゃあ、翔そろそろ行くよっ!」


< 804 / 826 >

この作品をシェア

pagetop