壊れそうなほど。
わたし達は、何度も体を重ねた。

言葉なんてほとんど交わさず、動物みたいに求めあった。汗とかヨダレとか体液とかで、もうぐちゃぐちゃになりながら。

頭も体も壊れてしまいそうだった。

好きで好きでどうしようもない。頭のてっぺんから足の指の先まで、全部好き。

ずっと繋がっていたい。

ユキの全部、自分のものにしたい。わたしの全部、ユキのものになりたい。

もうユキしか見えない。

「沙奈」

ユキに名前を呼ばれるだけで、心が震える。

「……ユキ」

名前を呼ぶだけで、愛しさで胸が苦しくなる。

こんなに激しい恋、初めて知った。



ねえ、どうしてわたし達は、もっと早く出会えなかったんだろう──。





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