君と近づく春
「今日はバスで帰るよ」
「その足だから、そうした方がいい。じゃあ俺はこっちから帰るな」
「あっ……ありがとう! 仙崎くん!」
「どういたしまして。気をつけて」
氷嚢を男子バレー部の部室に片付けに行ってくれた仙崎くんとは、校門の前で別れた。
私たちは出かける約束をしたんだ、と再び思い出して私は緩んだ頬を触った。
恋をするってこんなに楽しいことなのか。
私は今初めてそれを知ったのかもしれない。