平凡ガールと双子アイドル~白と青の王子~

秘密の場所*4



足を進めると、だんだんとその人がハッキリと見えてきた。
頂上に一つだけ置いてあるベンチに腰を掛けていた。
と、その時__。



『わ...』



私は、その光景に目を奪われてしまった。

ベンチに座り空を見上げるその男の人の横顔はあまりにも綺麗で...まるでひとつの絵画を見ているようだった。


月光があたり輝く鼠色の艶やかなストレートな髪。ガラス玉のような澄んだ青い瞳は、たくさんの星をうつしていた。

横顔だけでも分かるほど、整った顔立ちをした彼は、ただ静かに空を眺める。



(綺麗...)




思わず口から出そうになるも、思わず呑み込んだ。
なんとなく、この場を離れなくてはならない気がしてくるっとUターンをする。

しかし__。




「だれ?」


『ひっ!?』


(こ、声をかけられてしまった...)



焦る心を誤魔化しながら、ゆっくり口を開いた。



『じ、じっと見すぎてしまって、すみません!あの、お邪魔ですよね、すぐ帰るので!』

「......」



咄嗟にそう言ったものの、男の人は何も返事をしない。
急に不安な気持ちが強くなる。



「...あんた、俺のファンじゃないの?」


『はい...?』


「だから、俺のことつけてきたとかじゃないわけ?」


『つけっ!?違いますっ、あの、この場所が私好きで!』


(あれ、この人、よく見るとどこかで見たことがあるような...?さっきファンがなんとかって言ってたし、まさか...!)



『桐生...葵?』

< 5 / 8 >

この作品をシェア

pagetop