恋の宝石ずっと輝かせて2
「どこまでもはっきりしない人なんですね。帰国子女だからもっとハキハキした人だと思ったから、はっきり言って話し合いたかったのに」

 年下の女の子から痛いことを言われてユキは少しカチッときた。

「あのね、あなたにそんなこと言われる筋合いはないんですけど、仁があなたを相手にしないのは興味がないからじゃないの? それは直接仁に言えばいいじゃない」

「とっくにそんな事言いました。だけど新田先輩は春日先輩の側を離れる訳にはいかないんだって言ってました。だからいいように利用されていてもそんな事が言えるんですかって聞いたら、例えそうであっても春日先輩が頼る限り側に居てやりたいって言ってました。だから私は知りたいんです。春日先輩は新田先輩のことどう思っているのか」

「どう思っているのかって、そんなこと聞かれても」

 ユキにとって仁も大切な人であり、決して邪険に扱ってるわけではない。

 かといって、年下の女の子から急に決断を今すぐしろと言われても言葉が出てこない。

 ユキが黙っていると、瞳は歯を食いしばるように怒りを込めて睨んだ。

「春日先輩って最低! はっきり自分の気持ちを言い表せないくせに、新田先輩に甘えるなんて。春日先輩って本気で人を好きになったことなんてないんでしょうね」

 その言葉に目覚めるようにユキは突然ボロボロと涙をこぼし始めた。

 悲しくて悲しくて、深い池の底に沈みこむように絶望が心を支配する。

 どうしようもない悲しみが心にいきわたると、突然力が抜けて、崩れるように膝が地面についた。

 またあの名前を心で呼んでしまう。

 トイラ……

 泣くまいとずっと我慢していた気持ちが、この時溢れ返り防御不能になってしまった。

 大きな声を上げ、まるで悲しみの雄たけびのような声で叫ぶ。

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