恋かもしれない
美也子さんには体調不良で休むとしか言っていないけれど、それを伝えたときもとても心配してくれた。

薬はあるの? 病院は近いの? まるでお母さんみたいに優しかったのだ。これ以上心配を掛けたくない。

「はい、大分いいです」

「いないと寂しいしとても困るけど、無理はしないでね。ほんとに大丈夫?」

寂しい。いないと困る。

この2つのワードで沈んでいた気分が上昇する。

人生二十五年、社会に出てから七年。どこで働いても、こんなこと一度も言われたことがない。

美也子さんに出会えて、ここで働けて本当に良かった!

「はい、もう大丈夫です。仕事頑張ります!」

元気よく言うと、美也子さんはホッとしたように笑った。

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