恋かもしれない
「主人はもう既婚だし、自然と松崎さんが体験することになったの。その時松崎さんには彼女もいなかったし。結婚相談所側はお仕事の一環だから会員登録はしなくていいと言ったらしいんだけどね、彼は『それでは本気でお相手探しに来てる方たちに失礼です』と言って、きちんと入会したんですって。それで松崎さんは、パーティでは周りの様子を見ながらも、本気でお相手探しをしたらしいわ」

「それは、あの、その、えっと」

「あ、奈っちゃん安心して。そこには気に入る女性がいなかったみたいだから。でもあの通り素敵なお方だから、たくさんの女性がアピールしてきたみたいだけどね。あまりにも多すぎて選べなかったんだろうって主人が言うの」

美也子さんはその時のことを思い出したように、クスッと笑った。

間違いない、Lサポートのクルージングパーティのことだ。

あのとき、松崎さんは平等にみんなとお話をしていた。私だけは、時間切れになっちゃったけれど。

「そのパーティのあとすぐ、自分がクライアントの顧客では仕事がしにくいからって退会したんですって。これは、丁度奈っちゃんと松崎さんが知り合った頃だと思うわ。だから、本当の退会理由は、奈っちゃんと知り合ったからかな~って、密かに思っていたの」

美也子さんは私を見て、微笑んだ。

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