もしも 願いが叶ったら

そのあとは、今まで通りに戻って撮影は続き少し長めの休憩にあたしたちは外に出た。


「昨日あれからずっと考えたんやけど、やっぱり気持ちは変わらへん。一時の感情じゃない。演技を通してやけど、かなえのこと結構わかってるつもりやし」


「待ってここ外だよ。誰が見てるかわからないし。」


「ええんや。こんなこと、こっぱずかしくって言おうと思った時しか言われへん。
おまえが好きや。かなえでもない。おまえ自身が好きや。」


あたしの中で、何かが音を立てて切れた・・・


「あたしの何を知ってるっていうの!?本当のことも知らないのに・・・。」


「本当の事ってなんや。」


「・・・あたしは初めからあなたが目的だったの!あの話はあたしがあなたが相手役だったらいいなと思って作った話なの。あたしが桃香なの!!」


「・・・そう、やったんや・・・。」


「リアルなドラマにしたいって言うのは本当、だから他の人に主人公をやらせるなんて考えられなかった。黙っていてごめんなさい。」


「・・・とりあえず気持ちは分かったけど、まず名前教えてくれへん?桃香だって本名やないんやろ?」


「香」


「わかった香な。じゃあ香まずはドラマを成功させよう。話の続きはそれからや。それまでは今まで通り宜しくな。」


朔夜は作家であるあたしの気持ちを尊重してくれた。
少し胸が痛んだ・・・。



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