もしも 願いが叶ったら

-二人でダッシュして間に合った。何事もなかったかのように、二人は廊下に並んだ-


「浅井遥」「はい」「伊藤くるみ」「はい」


担任である京一郎が一人ひとり名前を呼んでいく。


「岬かなえ」「はい」


かなえも京一郎に呼ばれ、壇上へ・・・。


体育館が少しどよめた。


「先生と出来てるんでしょ?」
「二人で旅行に行ってたんだって。」
「え~最悪。」「生徒に手出したんだぁ。」


卒業証書を受け取り席に戻ろうとした、次の瞬間-


(京一郎)「岬さん、こっちへ」


(かなえ)「えっ?」


-体育館が更にどよめいた-


あたしも何がなんだかわからないまま京ちゃんのそばに行くと、


(京一郎)「皆さんが今、噂していることについて、話をさせて下さい。」


(かなえ)「京ちゃん!」


(父兄) 「式の途中だぞ!!」
     「噂って何よ?まさか!?」


(京一郎)「先日、私と岬さんは旅行先で、生徒と鉢合わせをしました。」


-どよめきが、悲鳴に変わった-


あたしの目は丸くなっていたと思う。
だってこんなの台本にはなかったから・・・。















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