幸せの華

｢麗華や心華は大丈夫だと思う｣
｢まあ、優の言うことは大抵当たるからな｣


楓は優の言葉を100%信じていた。
それは他人ではなく双子であるから。
産み親は全員一緒だとしても血の味、匂い、それぞれ皆異なるものだが何百年に1度と言われる全く血の味も匂いも同じ吸血鬼が生まれることがある。
それが優と楓である。


｢そろそろ心華の所に行こーよ｣


だいぶ日が暮れて満は早く早くと急かすよーにみんなに声をかけた。
そんな中陽斗だけはずっと下を向いたまま動かない。


｢陽斗、行くぞ｣


そんな陽斗に楓が声かけるも動かない。


｢陽斗？｣


満も心配なのか陽斗の顔をのぞき込む。


｢っ！？陽斗！？｣


そこにいた陽斗は目を赤くし血を欲した1人の吸血鬼が居た。