影を拾った太陽

叶斗Side-


綾瀬と一緒に帰るのなんか初めてじゃね?
前は帰ったっていうか、サボったもんな。あれもあれで幸せだったけど。



あそこで変な邪魔が入らなきゃ、良いムードだったのに。
あいつら、遊園地でもぶっ飛ばしてやったが、今度会った時はもっとボコボコにしてやるっ。



プップー



何だよ、うるせぇな。
人も車もねぇんだから、クラクション鳴らしてんじゃねぇよ。



って、あれ家の車に似ている。



ウィーン



「叶斗、乗れ」



やっぱり、家の車か。
つか、何だよ。突然来て何も言わずに乗れって。
まったくもってわけ分かんねぇんだけど。




大体、俺が親父にそう言われてはいはいって言うこと聞くわけねぇだろ。



「仕方ない、か」




背を向けて無視していると、親父のそんな声が聞こえた。



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