【短編】桜が咲いたら、もう一度君と
蕾—tsubomi—


「れおんくん」
「かすみちゃん」

俺たちはかつて、そう呼び合う仲だった。

一つ違いだからか、『幼なじみ』というよりも本当の姉弟のように育って。


「れおんくん。よろしくね」

初めて会ったその日、
小さなツボミをつけた桜並木の下で、
かすみは俺の手を引いた。


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