涙の裏側    ~もう一人の私~
夏休みラストの今日も…………私は一人ぼっち。

明日の準備なんて、とっくに終わらせてゴロゴロ。

ビデオもテレビも

退屈な夏休みの間中見て………もう飽きた。

唯先生にメールしようかなぁ。

唯先生は、私の勤めるたんぽぽ幼稚園の先輩先生。

年少うさぎ組の担任の先生で、私のお隣のクラス。

2年目の先生は、おっちょこちょいで時々失敗して

悠人先生に注意されているけれど

子供たちの扱いは一番上手で、尊敬してるんだ。

保護者や子供たちはもちろん、園長先生を始め幼稚園の人達全員

唯先生が大好き。

私にはないものをいっぱい持ってる先生。

愛情は全て彼女に向かって注がれてるの。

なのに、いつも謙虚で

自分が愛されてることにも気づいてないみたいで………。

だから皆が余計に構ってる。

羨ましいくらい素敵な先生で………。

私は…………

こんな素敵な女の子に会うのは二人目。

身近にもう一人知っている。

だからかな?

大好きだし、尊敬してるのに……………

心の奥にある黒い陰が…………時々顔を出す。
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