俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
プロローブ
 



都心の一等地にあるラグジュアリーな高級ホテル。
その一番広いバンケットルームは大勢の招待客で埋め尽くされていた。

豪華なシャンデリアに、美しくセッティングされたテーブル。
あちこちに配された豪華な花。
まばゆい世界に目がくらみそうになる。

私たちが会場に足を踏み入れた途端、その場にいた全員がこちらを振り返った。

今日この会場で行われているのは日本有数の大企業、大宮建設の創業五十周年を祝うパーティー。
けれど実は、この場に集まった関係者に御曹司で副社長をつとめる大宮和樹の結婚を発表するのが本当の目的らしい。

大宮建設の後継者の妻になる女を値踏みするように、好奇心と嫉妬と羨望が混じった視線を向けられ足が震える。
思わず息をのむと、長い腕が私の腰に回った。

エスコートするように腰を抱かれ顔をあげると、整った男らしい顔がまっすぐに前を向いているのが見えた。


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