俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~


私たちはお互いの利益のために愛のない契約結婚をして、形だけの夫婦になった。

最初は冷たくて傲慢な和樹さんを大嫌いだと思っていたはずなのに、一緒に暮らすうちに彼の優しさや寛容さ、そして仏頂面の裏に隠れた不器用さを知っていつの間にか惹かれていた。

結婚に夢の希望ももっていない彼を好きになったって、この想いは報われることはないと思っていたのに……。

『――俺も好きだ』

低い声でささやかれた言葉やキスを思い出すと、体温が一気に上がる。

和樹さん、なんだかとても慣れていたな。
そりゃ大人だしかっこいいし、私と違って経験豊富なんだろうけど……。

戸惑う私をあやすように優しく頭をなでながら繰り返しキスをしてくれたことが甦って、背筋のあたりがむずむずしてくる。

もう思い返すだけで、体が蕩けてしまいそうだ。


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