俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~


「この女との不倫関係を隠すために、姉ちゃんと契約結婚をして隠れ蓑にしようとしたんだろ!?」

噛みつくように言った隼人くんに、眉をひそめて首を横に振る。

「違う。俺と彼女との間に恋愛感情なんてなかった。確かに結婚している既成事実を欲しがった原因は彼女だが、理由は反対だ」
「反対?」
「彼女の父親の李グループの当主が、彼女と俺を結婚させたがっていた。娘を今の夫と離婚させて俺と結婚させれば大宮建設と李グループはイヤでも親密になる。そして大宮建設を乗っ取る腹積もりらしい」
「そんなの、お前の娘との結婚なんてごめんだって断ればいいだろ!」
「こっちは香港の工事の受注を足掛かりに、本格的に海外進出をもくろんでいるところだった。理由もなく断って、香港有数の権力者で政府への太いパイプを持つ李一族の機嫌をそこねることはさけたかったんだ」
「波を荒立てることなく結婚の話を断るために、誰でもいいから結婚相手がほしかった。だから姉ちゃんと契約結婚をしたってわけ?」

隼人くんに問いかけに「そうだ」とうなずくと、彼はため息をついてソファの背もたれに体を埋めた。



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