俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~


こんなに豪華な着物に袖を通すなんて普通なら一生できない経験だ。
贅沢に興味のない私でも、最高級の振袖の美しさにさすがに気持ちが高揚してしまう。

これでこれから和樹さんと顔を合わせずにすむなら、最高なのに。

今日私はこれから大宮建設の創立五十周年記念パーティーに参加し、和樹さんとの結婚を発表する。

そう考えるだけで、気持ちが重くなってきた。

秘書の穂積さんを通してやりとりをしてきたけれど、和樹さんとはあの最悪の顔合わせ以来一切連絡を取っていなかった。

きっと顔を合わせたら、また初対面のときのように傲慢な態度で嫌味を言われるんだろうな。

憂鬱な気分でため息をつくと、控室の扉がノックされた。



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