俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~

「鈴花さんと結婚して一緒に暮らしていくうちに、お前のその女性不信が治るといいな」
「俺は女性不信なわけじゃないし、あんな最悪な女と結婚したらますます人を信じられなくなるだけだ」

とんでもないことを言い出す穂積に、思わずむきになって反論する。

「どうして?」
「あの女は、俺の隣ではにかんで笑っていたと思ったら、その数分後にはいなくなってこっそり恋人と電話をしていたんだぞ?」

信じられるか? と顔をしかめる。

真っ赤な顔で俺のことを見上げ、『そんな心配をなさらなくても、私は和樹さん以外の男の方によそ見なんてしませんから』と恥じらいながら言った彼女。

最悪な本性を知っているはずなのに、思わずその可愛らしさに胸を打たれた自分が悔しい。
少し目を離したすきに彼女は俺のそばからいなくなり、どこにいったんだろうと探していると、廊下の隅で男と電話をしている彼女をみつけた。

そのときの苛立ちが甦って、勝手に舌打ちがもれる。



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