私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
 蚊の鳴く声。

 そして、青ざめる3番さん。



「ぎゃああああああ!!!!」



 腕をぶんぶん振り回し、虫を避けようとする3番さん。
 しかしその際、私の頭は幾度となくベシベシと叩かれ、ヘアセットがめちゃくちゃになる。

……イラッ。

 3番さんの悲鳴に、スタッフが総出で駆けつけ、

「何があったんですか?!」

と、私が怪しまれたのは、言うまでもない。

 虫は無事どこかへ飛び去ったものの、謝罪の一言もない虫が苦手すぎる3番さんに、私は幻滅してしまったのであった。もうちょっと、男らしい人がいいよなあ。
 虫騒動で、ほとんど互いのことを知り合う間もなく、「お時間です~」の声。

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