それでも君を
受付を終えた辺りで、真ちゃんは病棟から呼び出しを受けたらしく、残念そうな顔で仕事へと戻っていった。



仕事中だもん、当然、私より他の患者さんが優先だよ。



嫌々採血を済ませ、香織とふたり診察室前のソファーへと腰掛ける。



「ねぇねぇ!梨央の彼氏カッコイイじゃん!しかも優しい!」



隣で少し興奮気味の香織だったが、私の様子を察知したのか、すぐに大人しくなった。



「…どした?ツラい?」



「ん、ちょっと…」



さっきまで全然大丈夫だと思っていたのに、歩いてきたことに疲れたのか、採血で疲れたのか、身体が鉛のように重い。



心の中で恐怖がどんどん膨らんでいく…



そんな私の様子を見て、香織が優しく背中を擦ってくれた。



きっと香織もいいドクターになるんだろうな。

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