世界で一番、不器用な君へ


「ふふ、実はね…」


蓮に一連の流れを説明する。


電話越しだから恥ずかしがる必要もないし、にやけていることがバレることもない。


「それでね、ハチマキ交換してくださいって…」


そこまで言ってハッと思い出す。


「ていうかアンタ!私のハチマキ持ってるでしょ!」


「あ?」


「私のとこにアンタのハチマキがあんの!そのせいで変に焦ったんだからね!」


「あー…じゃあ交換できなかったんだ」


「ううん!それがね、先輩、優しく巻いてくれたの!その時の距離がめっちゃ近くてね!」


「…ふーん、じゃあおとせそうなんだな、キャプテンのこと」


「え」

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