クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)

ハァっー

最近のもう一つの悩みのタネにため息が出た。

「用事がないなら、呼ばないでください」

社内のイケメンといえば、誰もが名前をあげる人物のうちの1人なのだから、女性達からの視線があると気をつかってほしいものだ。

「何食べてるの?」

「カニクリームコロッケの定食です」

「美味しそうだね!」

テーブルの横に立ったまま腰を少し屈め、あーんと口を開けて待っている梶岡さんよりも、彼の背後にいる人物が視界に入って、あの日のキスが鮮明に思い出されていく。

「…あげませんよ」

「冷たいな」

彼に会ったら文句を言ってやるんだと息巻いていたのに、いざ、会ってしまったらドキドキとして内心パニックって彼を凝視できず、それを誤魔化すように、梶岡さんのちょっかいに反応して、半分残っていた最後のカニクリームコロッケを食べた。

目の前で絵梨花が唖然とした顔で、どうなってるの?と目配せし、机の下でも絵梨花が足の爪先で突いてくるので、私も彼の行動が分からないと首を左右に振り返すので精一杯だった。

なぜなら、梶岡さんの後ろから無表情で鋭く睨んでくる視線の人物を思わず視界にとらえてしまって、脅えていたからだった。
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