Sweet in my Room!!
「あー…ね、よく言われる…はー……あ~………」


七海は苦笑いしたかと思うと言葉を詰まらせた。

小さな肩は少し震えていた。


「…ダメなんだ。」


「え?」


「あたしはリュウが言う通り、あのときから何にも変わってないんだ、頭も心も……だから…まだ…リュウのこと好きなまんまだよ……」


ジワリと涙がにじんで地面にポタリと落ちた。



『一緒にがんばろうね、龍仁くん♪』



『あたし、リュウのこと好きっ!』


『リュウ~、勉強教えてー!』


『虫いやーっ!助けてリュウー!』








付き合っていた当時のことが色鮮やかに蘇る。


あのとき僕は確かに恋をしていたし、

七海も恋をしていた。







「あの頃は毎日不安だった。リュウはホントにあたしのこと好きなのかな、とか…いつかフラれたらどうしようとか、フラれるくらいならいっそ自分から別れちゃえって…サイテーだね…」



僕はずっと、

自分に原因があると思っていた。

僕がヘタレだから、

頼りないから、

七海は嫌いになった。離れていった。





だけど本当はそんなことが理由なんかじゃなかった。

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