涙腺崩壊
「蓮くん彼女いるよね?」
いつもと変わらない騒がしい教室。
いつもと変わらない学校の昼休み。
楽しくて充実した日常。
そんな毎日とかわらない日々がずっと続くと思っていた。
その一言を聞くまでは。
あたしの隣に座っていた理沙が言った。
理沙があたしの顔を見て言う。
「え?もしかして知らなかったの?」
「え、あ、うん」
「ごめん、光莉いつも一緒にいるから知ってると思ってた」
「まさか。彼女いたって知ってたら毎日一緒に帰ってないしお弁当も作ってきてないよ」
え?彼女いるなんて嘘だよね?
「だよね」
コクッと理沙は頷いた。
「理沙はなんで蓮に彼女いるの知ってるの?」
理沙は目を見開いて言う。
「逆に知らない人のほうがいないと思うよ?有名な噂だし」
なんだ、噂か。
あたしは噂なんて気にしない。
信じない。
はずなのに、どうしてこんなにも胸が痛いの。
今にも泣きだしそうな感情。
いないよ。蓮に彼女なんていないよ。ずっと一緒にいるし彼女いたら気づいてるよ。
「え、俺いるよ?彼女」
理沙の後ろから顔を出した蓮。
「え?」
「中2の時から付き合ってるよ?」
「蓮?今高2だよ?」
「おう」
「3年付き合ってるってこと?」
「俺ちょーど明日で彼女と三年だよ?」
なんで。
なんでそんな嬉しそうな笑顔で言うの。
なんで。あたしじゃないの?
ずっと隣に居るのは。蓮の隣はあたしだっていつから当たり前だと思ってたんだろう。