異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
はなしあい
危機の去った戦艦島那由多。
その艦内では、避難した人々がシェルターから出て、安堵のため息をつきながら抱き合って喜んでいる……と思うけど、こちらはそれどころではない!
提督さんは私を肩に担ぎ、あっという間に部屋に連れてきた。
フレディもズルズル引き摺られながら部屋に放り込まれ、正座を強要されている。
テーブルを挟んで、私と提督さんは向かい合い、隅でフレディが正座。
尋問する気満々の提督さんは、まず、私に言った。

「教えてくれ。君の口から、本当の君の名をもう一度」

「桜庭セリです。あの………」

「今はオレが話している」

私の申し開きは、聞いてもらえないらしい……。
顔はそんなに恐くないけど、実は怒りを通り越しての状態?
それなら死ぬほど怒ってるということでは!?
私は口を開かずに、じっと提督さんを見た。
騙してたんだから仕方ない。
ちゃんと怒られよう。

「桜庭セリ。セリ……セリ……セリ」

壊れたのかな?怒りのあまり!?

「セリはニーベルングの巫女と同じ世界から来たんだな?」

「はい」

「同じように不思議な力があり、それはさっきのように海獣と心を通わせる力だと」

心を通わせる……そう言うとすごくムツ○ロウさん味が……。
あ、すいません、お話し中でしたね。

「………はい」

「………フレディはそれを知っていたな?いつからだ?」
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