異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
女傑の面接
その日の午後、少尉さんが迎えに来てくれて、私は未知の領域フロア6階にやって来た。
6階は服飾品などが売られている商業エリア、酒場や食堂が建ち並ぶ外食エリアがあり、その奥の奥にひっそりと学習エリアがある。
学習エリアは保育園、初等部、中等部、高等部が一緒になった総合学習の場。
だけど、子供の数は少ないらしく保育園に10人、初等部に8人、中等部に7人、高等部に5人。
うん、島といい勝負だね。
そして、この学習エリアが今日から私の職場になる。
といっても、今日は顔見せで正式には明日からだけど。
どうしてここになったかというと、『女性だけの職場』という提督さんの意に適ったのがここだった。
那由多に住む女性は数が少ない。
大体男性7:女性3の割合らしい。
その数少ない女性がこの楸学園には集中している。
それは、未婚の女性が働くにはここが一番安全だからだそうだ。
何故かは知らないけどね。
働くなら楸学園か、又は軍部の電算室かの二択だと言われて、私はこちらを選んだ。
軍部の電算室はブリッジの隣にある。
つまり、私の働いている姿を1日中、提督さんに見られるという羞恥プレイ付きのお仕事だったのだ!
それは無理です。
まさかずっとは見てないだろうけど、チェックはされるだろうし。
と、言うことでこちらにしたけど、その時の提督さんの顔が、目に焼き付いていて離れない。

『本当に大丈夫か?泣いて帰ってくるんじゃないか?使い物にならないんじゃないか?みんなに迷惑かけるんじゃないか?』

と、あらゆるマイナス要素が含まれた顔をしていたよ……。
確かに働いたことなんて一度もないけど!
なんとか、がんばりますとも!
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