異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
保育ルームの天使たち
次の日も迎えに来た少尉さんと共に、私は元気に職場に向かう。
ちなみに、もう一人で行けますよ?と、提案してみたものの、それは提督さんと少尉さん、二人に却下されてしまった。
提督さんは「変な男を寄せ付けない為」といい、少尉さんは「住民のやっかみが不安」だという。
おかげで、小さな子供みたいに送り迎えをされることになってしまった!
この状況が余計に皆さんの神経を逆撫ですることにならないかなぁ、と不安なのは私だけ!?

と、まあ、そんなことはさておいて、今日から仕事初日。
学園前で少尉さんと別れ、私は先に理事長へ向かう。
そこで、御姉様に今日の仕事のスケジュールを貰うことになっていた。

扉の前でノックをし、暫く待つ。
…………返事がない。
おかしいな、この時間はいるって言ったのに。
居留守かな?まさかね?御姉様は多分そんなことはしない。
やるなら正々堂々、真正面からかかってくる人だ。
……かかって来られても困るけど。
中の様子を伺おうと、私は扉を少し開けた。

「おはようございまーす」

一応挨拶もつけてみたけど、やっぱり御姉様はいなかった。
どうしようか?
少し考えてから、私は隣にあった保育ルームに目をやった。
そこには二人の男の子と一人の女の子がキャッキャいいながら遊んでいる。
先生は……あれ?御姉様じゃない!?
そこにはラフで動きやすい格好をした御姉様が、子供達を追いかけながら一緒に遊んでいた。
白いシャツに、デニムのパンツ。
その爽やかな出で立ちは、とても提督さんに似ていて、私の目の保養になった。
いや、まぁ、いつも見てるけどね。
御姉様は扉付近にかぶりついて覗いている私を見つけると、はぁーーーと大きなため息をついた。
そして、手招きをして中に呼び込む。

「おはようございます」

「おはよう、理事長室に寄ったんだろ?悪いな」

「いえ、すぐに見つけましたから」

大きな水筒からお茶をつぎ、御姉様は一気に飲み干した。
子供と遊ぶのはやっぱり体力がいるんだな。
御姉様は汗だくだ。
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