人間消去アプリ
そして、なにごともなかったかのように、数学の勉強をはじめた。


円歌が教室に戻ってきたのはその数分後だった。


私にスマホを取られたとも知らずに、私の前の席に座る。


「はぁ、なんで私が疑われなきゃなんないのよ」


深々とため息をつき、頬杖をつく円歌。


どうやら先生に、すずねの死について追及されたらしい。


「あれ、置いてったはずのスマホがない……。


理央、知らない?」


きょとんとして私に聞いてくる円歌が滑稽だ。


笑いたくなるのをおさえ、知らないフリをする。


「さぁ、知らない……」


円歌、次はあんたが地獄に落ちる番だよ。


そう思いながら、私は数学の勉強を続けた。
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