先輩に一目惚れしたんで、サイエンス部に入部します!
友永が何を言っているのかわからず、俺は混乱する。

星野先輩たちは、「うん、正解!」と頷いているし、めちゃくちゃ悔しい。

「じゃあ、原子は何と何からできているでしょうか?」

岩井先輩が、教科書をめくりながら問題を出す。俺や友永よりも先に、河合先輩が答えた。

「原子は、電子核と電子からできている。原子核は、原子の中心にあって陽子と中性子からできている!」

なんか、問題になってないところまで丁寧に解説してくれた。

「じゃあ、いくつかの原子が結びついた粒子で、一個の粒子としてふるまう総合体のことは何と言うでしょうか?」

星野先輩が今度は問題を出す。俺と友永も目が輝いた。星野先輩の問題は、絶対に解かねば!

「分子です!!」

俺と友永は、同時に答える。星野先輩は少し驚いたように、「せ、正解!」と言った。

こいつとハモるってなんか嫌だ。そう思ったのは、俺だけではなかったらしい。友永も嫌そうな目を俺に向けていた。

「単体と化合物について説明しなさい!」

岩井先輩の出した問題に、河合先輩が答える。

「水素や酸素など、一種類の原子だけでできている物質を単体。水や二酸化炭素など、二種類以上の原子でできた物質を化合物」

「正解〜!さすが透!チューしてあげる!」

岩井先輩が河合先輩に抱きつき、二人はいちゃいちゃし始める。いいなぁ…。俺も星野先輩とあんなことやそんなことをしてみたい…!
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