先輩に一目惚れしたんで、サイエンス部に入部します!
火山はマグマの粘り気によって、溶岩の流れ方が変わると星野先輩が教えてくれたことがある。そして、火山の形や噴火の様子も違うんだとか。

岩井先輩が教科書を見たあと、口を開く。

「粘りが弱いと?」

「平らな山!!」

全員の声がハモる。

「中程度だと?」

「円錐形!!」

「粘りが強いと?」

「盛り上がった火山!!」

「では、マグマが冷えて固まったものを火成岩と言います!これには二つ種類があり、地表や地表近くで急に冷えて固まった火山岩と、地下深くでゆっくり冷え固まった深成岩があります!火山岩と深成岩を三つずつ答えなさい!」

俺が考える間もなく、「はい!」と友永が手をあげた。

「火山岩は、玄武、安山、流紋。深成岩は、班れい、せん緑、花こう岩」

「火山岩は斑状組織が、深成岩は等粒状組織が特徴だな」

河合先輩が言う。

「私も負けてられないわ!次は答えてみせる!」

楽しそうに星野先輩も言った。俺もサイエンス部の部員として答えられないと、と自分に言い聞かせる。

問題は、火山から地震へと変わった。

「地震起こる縦波と横波は?」

「P波とS波!」

「小さな揺れの初期微動、それが起きた後に大きな揺れが主要動!」

星野先輩が素早く答える。岩井先輩も解説をした。

「地球の表面は、プレートと呼ばれる岩石の層で覆われてるんだ。引きずりこまれた大陸プレートのひずみが大きくなって、元に戻る時に地震が起こるんだよ。活断層などプレート内で起こる地震もあるけどね」

「震度の揺れの程度を示すのが、震度でゼロから七の十段階。震度五と六には、弱と強がある。地震の規模はマグニチュードで表す」

友永が得意顔で星野先輩の隣に立つ。だから近いっつうの!
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