アブナイ王子様たち
少し驚いた匠くんの言葉をさえぎり、慌てて洗面所をあとにした。


そして、自室に入る。


ガチャン。


部屋のドアをうしろ手で閉め、ドアに少しだけ体重をかける。


「はぁ……っ、はぁ……っ」


あ、危なかった……。


あやうく、匠くんに問い詰められそうになった。


もし私がもう少し匠くんと一緒にいたら、匠くんに質問攻めにされていただろう。


けれど、部屋に逃げたせいで、匠くんのことが頭について離れなかった。


数時間前、翔さんに『守ってやる』と言われたことを忘れてしまいそうだ。


匠くん……。


なんで『好きなやついるの?』って聞いたの?


「……そんなこと、知らなくてもいいか」


軽く笑いながらそうつぶやき、ベッドのほうに歩み寄り、ダイブする。


そして、意識を吸い取られるかのように、深い眠りについた。
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