アブナイ王子様たち
毎日やっておかないと気が済まないくらい、そのクセが体に染み込んでいる。


用意した服をベッドのそばにあるローテーブルの上に置いたあと、荷物からあるものを取りだした。


それは、お父さんとお母さんと私が一緒に写った写真だった。


その写真は、私の16歳の誕生日に撮ったもので、お父さんとお母さんが真ん中にいる私を囲むように写っている。


まるで死んだということをみじんも感じさせない満面の笑みを見せている。


口角を上げて微笑むお父さん。


ピースサインをして、白い歯を見せるお母さん。


目を細めて嬉しそうに笑っている私。
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