アブナイ王子様たち

結ばれたとき


夏がようやく終わり、秋を迎えた。


外でしきりに鳴いていたセミの声も聞こえなくなり、さみしく感じる。


ストーカーの正体があきらかになってから数週間がたった。


朝起きて、朝ご飯を食べるためにリビングに向かうと、キッチンにいる悟さんがやわらかな笑みを浮かべた。


「おはよう、愛海ちゃん」


「悟さん、おはようございます」


相変わらず、悟さんはおだやかだな。


なんて思いながら、リビングの床に座る。


「おっ、起きたんだ。


おはよう」


「お、おはようございます……」


びっくりしたー……。


まさか翔さんが挨拶してくれるなんて。


ドキドキしている自分に、気づかないフリをする。


「ふぅ……」


自分を落ち着かせるため、息を吐く。
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