アブナイ王子様たち
これで、やっと平和な日々が戻ったんだ。


「紀野ってやつ、反省してくれるといいんだけど」


「とっくに反省してると思いますよ」


だって、紀野くんが謝ったとき、本当に申しわけないという気持ちが伝わったから。


「それにしても、紀野くんが恵まれた環境で育ったこと、よくわかりましたね」


それは本当にびっくりした。


「そんなの推測に決まってんじゃん」


えっ、推測⁉︎


自分が推測してることが当たるなんて、すごいな……。


「紀野くんって、中学時代の同級生なんですけど、お金持ちの家庭に生まれたこと、ひとことも言わなかったですよ」


「ふーん」


あ、あれ?


翔さん、ちょっと不機嫌そう……?


まぁ、いいか。
< 628 / 642 >

この作品をシェア

pagetop