アブナイ王子様たち
まぁ、いいか。


悟さんと翔さんが言い争いをやめてくれたから、ここで安心していいだろう。


ふぅ、と軽く息を吐き、悟さんと翔さんから少し離れた。


その直後、悟さんが突然体を私のほうに向けた。


「話が中断しちゃってごめんね、愛海ちゃん。


お手伝いさんの件、了承してくれるよね?」


悟さんが期待の眼差しで私を見つめる。


悟さん以外の4人も私に視線を向けて、私の返事を待っている。


私の答えは、ひとつしかなかった。


「……はい」


不本意だけど、悟さんたちが私を気遣ってくれたから、お手伝いさんとして働くことにしよう。


悟さんたち5人には、感謝しなければいけない。


本当は新しい高校に行きたかったけど。
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