👑Emperor bride

パラレルワールド入りぐち?

飽きたと書いた紙を握って寝て、
朝目が覚めて、その、紙が無けれ
ば異世界の自分と入れ替わりに成功した…と言われている。

そんなに簡単に異世界への入り口は
開くのだろうか?

あれは暑い夏だった。
私はプードルのチコと車に乗って
自分の実家へ帰っていた。

私は大学進学と一緒に東京へ。
一人暮らしの寂しさから
ペットOK の賃貸マンションへ、
ペットショップでチコと目が合い、
動けなくなった。

そう

可愛らしい生後5ヶ月の彼に
一目惚れ

ちゅるりんとした、オケケ
くるりんとした、オメメ


首を傾げる動作あーあ‼たまらん。
この子と即決しましたぁー

家からの援助で結構楽な学生
ライフを過ごしたが、バイトは
居酒屋、カフェ
人生勉強で頑張った。


今年3月そんな生活も終わりを告げ
商社に入社。

父親も母親も東京に
支店もある商社マンだったから
反対もなかった。
 

東京から
一時間位の実家に帰る為
いつものようにコンビニで、
炭酸水とチコのすきな唐揚げを
買い又、車を走らせた。

唐揚げの臭いをかぐやいなや
チコはご機嫌だった。


音楽を聞きながらいつもの慣れ
た道を走る。

しかし、ハッと気づいた時


突然見たことの無いカーブが
現れ・・・

「チコ、道間違えたかなぁ、
ん?ん?ん?…」
不審に思いながらも
緩いカーブを曲がると
目の前には中国に以た風景が現れた。

通り過ぎる車も、赤、黄色、
緑、青と原色ばかりで、派手な
色ばかりに唖然。

夏真っ盛りなのに桜が咲き乱れ
満開だった。

カーナビもエラーで動かずもう、
何処かで止まるしかない。

ふと助手席を見ると

隣に居た筈のチコが居ない。

「エーッ、何で‼なんで‼?チコ、
チコ?!!」
半分恐怖に襲われ
来た道を後がえった。
パニック状態だ。

チコーーーッ
チコーーーッ
叫んでも叫んでもチコは居ない‼

一本道間違うはずなど無いでしょう。
チコに唐揚げを...チコにあげて…だから…?
なんで?急に??チコが居ないのだろう?


何で?チコが居ない?

来たはずの道は消えて無くなり
有るはずの無い風景が広がっている。

田園地帯が広がりまるで北海道の
ようだ。
野菜畑、多分大根、人参、タマネギ
だけど違う。
大根はオレンジ色や白、赤、
他の野菜もカラフルな色をして
いる。

それに気温が20度位。
半袖の私は少し肌寒い

向こうを見ると、尖った岩で
出来た様な高い高い山々が見えた。

桜や椿、梅、桃本当に桃源台に
来たかのような錯覚に落ちいる。

私は暑い夏に居た筈なのに
季節は後退して春

しかも車から降りた途端車も消えた。
農道はアスファルトだし、経トラや
農器具も日本と変わらない。

でも字が違う。
初めて見る字?じゃないけど…
見覚えある書体!!


あ~やっちまったポイ。
チコはどっちにいるのだろう。

今噂の平行世界つまり
パラレルワールドに入って
しまった。

誰かチコを保護してくれます
ように。もう祈るしかない。
どうにも出来ない。

霊感が強く、見えない世界は、
幼い頃から時々見えていた。

何回か赤い橋が現れたり
渦を巻いた空が見えたり入り口は
何回も私の前に現れては消えていた。

いないはずの人が現れたり
小さなおじさんが、風呂場で
洗面器の中で風呂に入ってるのを
覗き見したあと
服をピンセットで隠したり

花の中に昼寝中の妖精をこよりで
起こしたり
そんな事は日常茶飯事。

怪しい世界の入り口も有るから
常に気を付けていたのに、遂に
入り込んでしまったんだ。

あのカーブだ。彼処から引き返す
べきだった。



幼い頃から私より5歳上の男の
子が真っ白い白装束中国に以た、
上下のチャィナ服を着て現れる
ようになった。


初めて見たのは3歳、
彼は8歳、

時々現れては一枚隔てた姿見の
鏡を通して行き来し、
遊ぶ様になった。
両親も留守、友達も居ない、そんな
寂しさから彼とは仲良くなって行っ
た。

両親はトップ企業で海外への
出張も頻繁で1人でいる事も
多かった。家政婦任せの家庭。

弟妹姉妹も居ない 私は稲葉 琴乃

家政婦さんもお泊まりはしてくれて
も早々と寝入ってしまう。

そんなとき母親を恋しがり泣いて
いると、頭が丸坊主なのに
後ろは長い三つ編みをした
白いチャイナ服の仕立てのいい
服を着た男の子が現れた。
切れ長の目は澄んでいて、
凄みもあった。
少し怖かった。
琴乃が隅の方で固まっていると、

「怖がらなくていいよ。」

そんな優しい瞳で呟いている様で、
妙に安心した。

「君が毎日泣くから遊んであげる。」
そう言つてる気がした。
頭をナデナデしてくれたり
ニッコリ笑ってくれたり‥

絵本も沢山持って来てくれて
読んでくれた。

お互いしゃべりも別々語で話すけど
何となく言ってる事がわかる。

琴乃もあちらの言葉はわからなか
ったが一年二年三年と過ごすうちに
お互いの国の言葉が分かる
様になった。


彼の名前は、チャンク、
平行世界の王太子。

小さい頃は吸収が早い。

中学にはいる頃は幼い頃から
英会話にも通っていたから
ペラペラだった。

その頃はチャンク彼も英語、日本語は
話せる用になっていた。

英語は琴乃がチャンクに遊び
ながら教えた。

チャンク、もナチリコ語という
チャンクの国マノリラ国では
使われない、英語と同じ感覚の
外国語を教えてくれた。

チャンク、の部屋は広く、ベット
もクイーンサイズ、窓からみる
街並みはイギリス王朝を思わせ
馬車もあり、王族用の飛行機
もあった。

「チヤンクはお金持ちなの?」
クルクルとした黒い目をして丸い
ほっぺの可愛らしい唇は何でも
かんでも納得が
行くまで聞いてくる。



















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