👑Emperor bride
アルバート伯爵お世話になり
ました。
腕を掲げ膝を曲げ礼に習い
挨拶をする。

それを見てアルバート伯爵は

「琴乃はマノリラ国の住人か?」

「え!どうして名前を知って
      るのですか?」
ゴソゴソとズボンを焦ると琴乃の
白い携帯を差し出した。

「お前が握っていた。
 お前を抱え込んだとき落ち
たのだ。」

出来るなら、我が屋敷に留まっては
くれまいか?」

屋敷中の人が息を呑んで見つめ
ていた。

ホラ、ヤッパリ    ダンナサマ狙イョ

 ダマサレテルヨ  助ケテ貰ッタノニズーズシイ。
ドコノムスメ?
チラチラと聞こえる怒りの言葉に

「両親も心配していると思います。
 伯爵様には感謝いたします。
 それに、伯爵様はかなり皆様に
 愛されております。

 誤解を招く発言は宜しく
無いか‥と。」


「フウム!琴乃の言うことも、
しかり。」
アルバート伯爵は琴乃の柔らかい頬を撫でて

 「誤解ではないのだ。」
伯爵様は目配せをすると役人達が
出てきて人払いを始めた。

シーンと気付けば伯爵様と
2人になった。

「皆、悪気がある理由ではない。
 困ったものだ。」
ハアァァー -᷄ ω -᷅
琴乃は頬を染めた伯爵様を見て
             クスッ
「慕われていらっしゃいますね。
 アルバート伯爵の、お人柄が良く
 分かります。」


ン、ン、ンンッ、コホン。
軽い咳払いの後

「琴乃、私はお前が気に入った。
 悪い用にはせぬ。
 お前の両親も呼び寄せよう。
 大事にする。
 約束は違わぬ。」
 

ン~約束は違わぬ?。チャンクも
あの日そう言った。

 「あのぉ~私は身分も下ですし
  父親も爵位など有りません。
  普通のサラリーマンですし、
伯爵様には見合ったご令嬢を
娶られるのが
  宜しいかと…

  妾はごめんこうむります。」

 「私が逃げ回っているのは、勿論
  危ない所からやっと抜け
出せたのと、
  妾にされそうだからなので
す。」

 フムフム
「なる程、琴乃のような器量好し
ならば男は皆欲しがると思うぞ。」

「伯爵様も‥?」

フフフ
「お前と合ったときは泥まみれで
器量好しとは言えなかったぞ。
しかも、頭は干し草だらけで
  ボサボサだったし。」
   ククク アハハハハアハハハ


「旦那様。殿下がお見えです。」

背の高い、蝶ネクタイとスーツ
姿の60歳位のきちんと髪を
オールバックにした
紳士が綺麗な礼をとり入ってきた。

「アノ、アノ、私失礼します。」

    「あ、待て待て琴乃」

「伯爵様殿下を待たせては
なりませぬ。」
執事のロジャーは目を吊り上げて
言った。
どうやら琴乃はこの彼にも嫌われて
いるらしい。

アルバートは
「直ぐ行くとお伝えしろ。」


きっとGPSが付いていたんだ。
琴乃はやっと妾から開放されたのに
えらいこっちゃとスタコラサッサ
と逃げ出した。
幸いGPSは解除されていた。
きっとアルバート伯爵が、
解除したのだろう。

「殿下この度は御婚約
 おめでとう御座います。」

頭を下げ片膝をつき胸に手を当て
チャンクへ挨拶をした。

「ヨセヨセ、アルバート机を並べ
た仲だ。今更。」

ククク「だな!!TV中継みたぞ、
ラブラブじゃないか、
俺も嫁欲しくなったくらいだ!!」

 「ああ、そう見えたか?」
チャンクは少し元気のない声で呟いた。

 「で!! 王太子様が何の用だ?
  皇女はまだ城に居るんだろ!!
  いいのかよ、
  ほっといて破談になっても
知らぬぞ。」


「最近、変わった事は無かったか?
 娘を見たとか‥。」

 ハハハハハ
「殿下がわざわざ娘探しか?
 どんな娘だ?何をしたんだ?」

「藍色の作務衣を着て、とても
可愛らしい。
 白い携帯を持っていてGPSが
ここを指していて途絶えたん
だよ。

 彼女とは狩りに連れて行って
はぐれたまま
 帰らないんだ。服がお揃いだった
から間違われ襲われたやも
知れぬ。」

「ああ、それなら使用人の男が
干し草の上で
 寝ていたから、飯を食わせて
 返したと聞いたぞ。」

 「それは本当か、無事だったのだな。
  使用人を呼んでくれまいか
  聞きたい事がある。」

「やめとけ、殿下直々のお出まし
じゃ緊張して腰抜かすぞ!家の
使用人だ1人かけても困る。」

「‥ああ、分かった。」

「だいたいその娘とどんな関係だ?」

「琴乃は私の最愛なる妻となる女だ。」



    







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