👑Emperor bride

張蘭は女の子



「ん?何?」
作務衣の上着を引っ張る男の子が
いつの間にか琴乃の横に体育座り
をしていた。

「お姉ちゃんコッチに行くの?」

 「ん?エ?君はダレ?」

「僕のお母さん、コッチに連れて
行かれたの
 だから、お母さんが、連れて
行かれた時間に毎日ここに
来てるの‥

 もしかしたら帰って来るんじゃ
ないかなと思って‥。」

小さな手で指差す方向には森が
しげっていた。
まあるいほっぺたが少しカサカサな
男の子は何日も着たような袖口も
黒く汚れていてその汚れも乾いた
状態だった。

「名前はなあに?」

      「張蘭。」
「ん?男の子だょね?」

 「違うよ!僕は女の子!
  ママが連れていかれる朝髪を
  丸刈りにして、誰に聞かれても
  男の子と言いなさいって!」

「張蘭、私には女の子って言って
いいの?」

「お姉ちゃんは優しく見えたから。
 ママが言ってたよ。
 目が黒く澄んだ目の人を頼りなさ
いって。


「張欄は、1人で住んでるの?
 家族は居ないの?」

  「うん、居ないよ。僕は
     今一人なんだ!!」

 私と張欄は、この別れ道で出合った。
 それから張欄と張欄の住処のある
 ナチリコ国に入った。
 そこはマノリラ国や、メリディアン
国では見られなかつた、
貧困層な荒れた町が
 広がっていた。

 人々も目つきが悪く、少し
 怖そうな人もいる。
 母親が男の子にしなきゃいけ
ない訳も良く分かる。

「張蘭、
 此処は余り良い所では
ないよ。
 お母さんを待つより探す道を
選ばない?
 ここは出よう。
大事なものだけ持ち出そう。」

張蘭は首を振った。

「ママが‥帰ってきた‥らクスンクスン
 僕を‥ぉぉぉ探すヨォー
 ママは、ママはどうするの。
 僕はママをここで待っんだ
よぉー。」
  ウワーンウワーンママーツママーママ

張蘭はずっと泣けずにいたの
だろう。
琴乃の胸にしがみついて大泣きを
した。琴乃も張蘭を抱きしめながら
泣いた。

「張蘭、今はあなたを此処に、
置け無い。
 きっとママもあなたを心配し
ている。
 だから 辛いけど今は言う事を
聞いて、
 ね…
 出よう。」



薄暗くなった頃小さな張蘭の手を
引いてこの町を出た。

「張蘭、寂しいかもしれないけど‥。
 ママが言ったんだよね。
 目の澄んだ人を頼るようにって。」

張蘭は静かに俯いた顔をあげた。
琴乃はただ頷いた。
まるで幼い頃一人でいた時
チャンクに慰められ寂しさが薄
まっていった自分を思い出した。
張蘭は小さな手をギュウウっと握っ
てきた。琴乃も又張蘭が安心する
ように、握り返した。

歩きながら考えた。

チャンクに携帯で電話したら直ぐ
来てくれるだろう。

自分1人ならどうにでもなる‥が
張蘭を飢えさせる訳にもいかない。
勉強も育ち盛りの張蘭には栄養的
な事も必要。

しかし連絡を入れたら
妾椅子に座る事になる。

アルバート伯爵を頼る?‥
あの結集された中使用人にやはり
妾扱いされるだろう。
彼にも迷惑かけてしまう・・・💦

だけど、食べ物も勉強も大丈夫だろう。
ちゃんと学校にも通わせてくれると思う。

だけど…ああ.妾かょ


後はヨンスンさんとカワンさん。
少し遠い。
張蘭は着替えさせたとき
アバラ骨が数えられる位出ていた。
体力が持つだろうか?


どうしよう。
どうしよう。
その時携帯が震えた。


    
 




  
  




 


        
   


     

  


 



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