👑Emperor bride

狙われた掃除婦


「どうだった?」

「はい。確かに仰せの通りに、
 しかし琴乃様はあまり婚儀に
 執着を感じません。
 お気にし過ぎではありませんか?」

「彼女はどうでも良いのよ。
 問題は殿下のお気持ちなの。
 私意外を求めていらっしゃるなんて
 とんだ笑い物じゃないの!

 お父様は笑って、男は云々…
 と仰るけど嫌なの!! 」


 マアマア
「ミリアン様大丈夫です。
こんなにお美しくあられます
もの殿下の気持ちは直ぐ
 ミリアン様の方へ靡きます。」


「そんな悠長にして居られないわ
聞いたわ!
 彼女まれにみる
美女らしいじゃない。
許し難いわ。」

「何かあった訳では御座いません。
 お父上様に何かお考えも
あるとか…
 様子を見られては? 
 変に動けば、破談になりかね
ません。
   良いのですか?」

「駄目よ。
 殿下に一目惚れしたのは
あなたが一番
 知ってるじゃない。」


「はい。夜遊びばかりされてる
姫様を私は常に心配して居り
ました。

私用で訪ねて来られた殿下に
感謝申し上げたくらいです。
その時の姫様のお顔はまさに
乙女で御座いました。」


「ん~もう、アンはその話ばかり」

「いえいえ、姫様、乳母で
ございます。
姫様のお気持ちに添い
必ずや姫様を御守り致します。」

  「アン、有り難う。」




その頃、琴乃は全館のトイレ掃除
をがんばっていた。

ブルーの三角巾を被り水色の
シヤツにズボンと白長靴と
いったスタイル。

洗剤を巻いてゴシゴシと磨く。
お給料も出るし給料分
頑張るしかない。
今日は宮中晩餐会があるから特に
念入りにとエドワードが念を押し
てきた。
総勢40人でトイレ掃除をしても
朝から
夕方の五時までかかった。

会場には厨房から料理が運ばれ
華やかな花が飾られ、
オーケストラの
リハーサルが始まった。

ハァ、いいなぁ!!
羨ましい。
バケツを抱えトボトボと裏庭
を歩く。
疲れ果てて、美味しそうな臭いに
鼻がクンクンとなる。

「あれ?私昨日からご飯食べて
ない。」
忙しさは大事な食さえ忘れさせる

携帯を取り出しチャンクにかけた。

「ゴメン、琴乃今接客中なんだ。」

「何いってんの、無理やり
連れ込んだ癖に、
働かせるだけ働かせて
 昨日から何も食ってないってーの
 一日中休み無しに
便所掃除やらせやがって
うんこ見ながらカレーライス
思い出したワ

なにやってんの!!
 あんたなんか顔も見たく無い‼。
あんたの都合になんで私の人生
    巻き込むんだよ。

海苔巻きじゃねーぞバカッ
巻き込むな‼

 この国の人には殿下かもしれ
ないけど、私にとっては、
悪魔だわ。!!
 このエロめ、
 あんたの2号になるくらいなら

 飛び降りてサラバーするわ!
 なめんじゃねーぞ
 いっまでも、大人しくするか!!
    バカメ!!
 
    四値!」 
       ブチッ!!

GPSを付けていたのでチャンクは
すぐ現れた。

「琴乃その格好?」
        ポカーン

  「近寄ると臭いが移るわよ。
  フフン
   飲まず食わずで働いたから
   腹減ってシニソーなの!!

   何の為に探してたの?
   言っとくけど、あんたの
2号様には
   ゼーッタイ、ゼーッタイ
なら無いから

   なにが、おまえが嫌なら
止めるよ
   やめてみなよ。
   出来るわけ無いじゃん!
   思ってもいないこと言うな!!

辞めれるもんならやめてみろよ。
辞めて見せろよ‼

出来ないこと軽々しく言うな‼

   早く自由にしてよ。
   この姿見たら解るでしょ!!
   バカ殿様~」
         






 
      
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