普通な狂人

放課後





「おまたー!」


元気よく優が走ってくる。

その後ろを直がフラフラになりながら着いてきた。


「鏡、俺の頭ある?」


「ないかもしれない。中身が。」


「あぁ、それは薄々気づいてた…。」


「そんなことよりこれからどこ行くよ!」


「そんなことてお前…!

俺ショック。」


「あーごめんごめん。おしゃおしゃおしゃ。」


優が直の頭を撫でる。


「しっかたないなぁもう〜

よし、遊び行こう!」


立ち直りが早いのが直の良いところだな。


「この前ゲーセン行ったからなー!

次はカラオケとか!?

それかこの前工事終わった水族館とか!

新しく見る所が出来たらしい!」


「んー、俺は水族館かな。

鏡は?」


「俺も水族館。」


「よし!出発しんこーう!」


俺達は優を先頭に水族館へ…











行けなかった。


「優が方向音痴なの忘れてたー。」


「あぁ、俺も。」


「二人とも付いてこい!

多分こっちだー!」


「あいつ多分とか言い出したぞ。」


「あいつ先に行きすぎだろ。

…絶対迷子になるやつだ。

おい優ー。」



そう言いながら直は優の元へ行き、首根っこを掴み戻ってきた。



「俺猫じゃないぞー!」


「いやライオンもこういう運び方するらしい。」


「えっ!俺ライオン?!」


俺がそう言うと嬉しそうな顔に。


「そういえばヒョウも?」


俺の意図を気づいたのか直もノッてきた。


「お!まじか!あとは?!」


「ネズミもだったな。」


「やぁー!」


頬に手を当て高い声で拒否をした。


「じゃあ猫のそれだな。」


顎に手を当て少し考える。


「…うむ!ネズミよりは猫の方がいいな!」


「じゃあ子猫ちゃんは俺達の後ろについてこようね〜」


「に゛ゃ゛ー!」


「「それ某ねこだから。」」



直と俺で優にツッコミながら水族館に向かった。





< 5 / 8 >

この作品をシェア

pagetop