双星の煌めきは月夜に魅せられて
ONE STAR


──今日も奴らは華麗に参上した。



「あ? テメエ何の用だ?」



夜の街。特に治安の悪いこの地域では、カラフルな髪だって、タトゥーを彫る奴だって珍しくない。



「お兄さん、何やってるのかなって」


「ああ、気持ちいいことやってんだよ。
ガキもやってみるか?」



人気のない路地裏で、男3人が手に持つのは小さな錠剤。


ガキと呼ばれた少年……いや、高校生はほくそ笑みながら、悠々と男達に近づいた。


ガキと呼ばれるのも無理ないだろう。


男達は180ほどある身長なのに、少年は170は無くせいぜい160半ばしかない。


顔つきはフードを被っているのと、夜遅いのもあって詳しくは分からないが、恐らく男達の想像通りだろう。


圧倒的な身長差に男達は見くびっていた。



「俺、それ知ってるよ。興味あったんだ」


「お、なら話ははえーな。これ飲めば最高の気分になれるぜ」


「……へえ、Mって文字が彫ってあってオレンジの薬とか初めて見た」


「へへ、そうだろ。なんたってすげー薬だからな!」

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