双星の煌めきは月夜に魅せられて

月は願う


<月那side>


パパが査問を受けて15日が過ぎる日のことだった。



査問で問われるものは全て精神を追いつめるもので。


そして、やってないのに"やった"という前提で話していくので、査問官は攻撃的な態度に出るのだ。


なので、パパの精神が疲弊していくのはもちろんのことで。



……だけど、どうすれば良いのか。


大人の世界にむやみに関わっていい訳がない。


最悪の場合、私達が公務執行妨害で罪に問われてしまうからだ。



"子ども"と"大人"


どれだけ成熟している子どもであろうと、どれだけ未熟な大人だろうと、そこの境界線ははっきりとしなければならない。



「……どうしよう」



策はある。だけど、そのためにはエレナを利用しなければならない。


エレナを想う朔夜の表情を思い出しては、言えずにいるのだ。



……前までなら、そんなこと関係ないと容赦なくエレナの元へ向かっていたのだが、


優生への恋心を知り、たくさんの感情を知ったからか、


自分の気持ちや他人の気持ちがくっきりと見えるようになったのだ。
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