クールな御曹司と愛され新妻契約


そうして、晴れて〝本物の夫婦〟となった初めての夜――。



「もうこれ以上は我慢ができそうにない。……今すぐ、あなたを抱かせてほしい」

夫婦として初めて交わした口付けに酔いしれたあと、旦那様は私をシーツの海へ沈ませる。
独占欲が揺らめく熱を帯びた瞳で射抜かれ、胸が締め付けられた私は、小さく頷くことしかできなかった。



千景さんは怖がる私の体中に丹念にキスをして、何度も愛を囁きながら、ベッドの上でとろける私を愛撫する。

露わになった柔らかな部分を、彼の大きな手のひらが丁寧に円を描くように揉みしだく度、感じたことのない甘い刺激に、体が変になりそうだった。

「ん、はあっ……、もう、あぁ……っ」

熱い吐息とともに腰を強く打ち付けられ、爪先がピンとしなり、甲高い声が漏れた瞬間……彼が「くっ」と短く息を吐く。

唇からは熱い吐息が漏れ、痺れるように甘美な余韻が駆け抜けた。


潤んだ瞳で千景さんを見上げれば、彼は汗が滲んだ額に張り付く黒髪を艶やかな仕草で搔き上げながら、引き締まった肉体を起こす。

「おあずけを食らった分、今夜は寝かせませんから。あなたの、もっと深く俺に溺れた顔が見たい」

千景さんは甘く低い声音で囁くと、長い睫毛に覆われた二重瞼を柔らかく細め、極上の笑みを浮かべる。




こうして――彼に独占されっぱなしの〝甘くとろける幸せな日々〟が、今日からまた始まるのだった。



❤︎ END ❤︎
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