ストーカー
「どうしたの美咲?」


「あのさ、昨日ちょっと聞いちゃった話しなんだけど……」


美咲がそこまで言った時、後ろから声をかけられた。


「遙、ちょっと話がある」


それは郁で、あたしは首を傾げた。


郁があたしに話があるなんて珍しい。


「ごめん、今美咲と話してて」


「ううん。あたしの話はもういいや。じゃ、先に帰るね」


郁を見た途端、なぜか逃げるように教室を出て行ってしまった。


そんな美咲を見送ってから、あたしは郁へ視線を戻した。


教室内に残っている生徒はもう少ない。


「話ってなに?」


「璃桜のことだけど」


「あぁ……璃桜がどうかした?」
< 113 / 244 >

この作品をシェア

pagetop