ストーカー
西村君が動くたび、なにかを言うたびに体中が寒くなって震えが増して行く。


「寒いの?」


そう聞いて、あたしの頬を触れる西村君。


その手が異様に冷たく、硬く、そして細くてあたしは一瞬硬直してしまった。


人の手じゃない。


「え……」


瞬きを繰り返し、あたしは目の前にいる西村君を見た。


確かに学校で見た西村君で間違いない。


猫を助けていた彼だ。


でも……。


「義手……?」


あたしは振るえる声でそう聞いた。


あたしが知っている西村君は、義手じゃない。


「あぁ。交通事故でね」


そう言い、西村君は自分の右手をさすった。
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