ストーカー
グッと拳を握りしめてトイレの壁を殴りつける。


それだけでスッキリするような感情じゃなかった。


グルグルと、黒くて重たい感情が胸の中央に鎮座していて、それはどう頑張ってみても取り払う事ができないのだ。


重たい気分のままトイレの個室を出た時、スカートのポケットに入れていたスマホが震えた。


《西村:友達ともっと楽しく会話しなよ。それと、あの男と仲良くしたらこうなるよ?》


そんな文面と共に、犬の死体の写真が送られてきていた。


それを見た瞬間血の気が引いていくのを感じた。


「なんで学校内のことがわかるの……?」


ハッとしてトイレの中を見回してみる。


監視カメラのようなものは見当たらない。


でも、西村君のことだ。


どこで、どうやって見ているかわからなかった。


あたしはスマホをポケットに戻し、逃げるようにトイレを出たのだった。

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